たまに「ひと言」つぶやいたりして・・・

2026/6/15のひとこと
【とある映画の話】~ツレヅレな備忘録
第一話 『ソラニン』① 〔三木孝浩監督・2010年公開〕
よくYouTubeに映画『ソラニン』のライブシーンが現れる。まあ、アルゴリズムってヤツでしょうか。もちろんポチっと見てしまう。
このライブシーンのことは良く覚えている。実際のライブハウスで映画のクライマックスをどう盛り上げるか!・・・エモーショナル‼・・・。ただ、シーンの設定は「街の片隅の小さなライブハウス。社会人になってもたまに音楽を続けている大人たちのささやかな高揚」
撮影としては「前曲の終わりからソラニンの演奏へ」。俳優部が言う「ぜひ前曲の最初から演奏させて下さい、その流れで最後までやらせてください」「・・・。」三木監督「では、2曲続けて最後までよろしくお願いします」「・・・。」覚悟を決めました。各部署がテキパキと動き、照明部は2曲分のライブ照明を考え準備するのであった。
派手にならないように単色にこだわり、かと言ってヒロインに感情移入できる光。熱気と緊張の混在したライブシーン‼
まあ、是非是非‼
映画『ソラニン』予告編 
2026/6/12のひとこと
「飲みにケーション」という言葉がある。
「飲みの席で仕事の話するなよ~」とか言われたりするが、映画青年には「特等席」になることがある。
この間、とある映画のささやかな打上げをした。その時、録音技師の浦田和治さんがドキュメンタリー映画『東京裁判』【1983年公開・小林正樹監督】の話をしてくれた。
この映画の音の構成を「このカットに敢えてこの曲を入れてみた」「この時、数秒無音したんだ」とたくさん話をしてくれました。
昨日、改めて見直してみて「なるほど!」と一層映画にのめり込んだ‼ 膨大な映像資料を「どう繋ぎ」「どう聞かせ、そして聞かさないか!」 映画では音も、そして光も演出があるのです。
友人に言われました「映画好きは、みんな映画の話が聞きたいし話したいんだよ」。
僕も助手時代も含め100本ぐらい映画に携わっている。
たまにつぶやいてみよう・・・徒然なるままに・・・
2026/6/10のひとこと
先日、『チュルリョーニス展』へ行ってきた。
チュル…リョ…Φ△%・・・。もごもごして上手く言えない。
リトアニアの画家である。地政学的に複雑な環境で描いた彼の絵画は幻想的で物語を感じる。何故かずっと見ていられるんだ。とある小説で感じた「世界の終わりの風景」や街灯の無い星の瞬く夜空の「記憶の色」がそこにあった。小説の挿し絵の様なこの絵画たちには、風や匂い、そして音を感じる。
120年前、まだ映画は黎明期で模索の中、絵画の世界は印象派の登場が示すように光とイマジネーションが自由にあふれていた。
現代は情報過多で説明し過ぎるコンテンツが多い中、このぐらい受け手に委ねてくれる方が心地いい。何かいい出会いをしたようだ‼
2026/6/1のひとこと
とある映画の学校を卒業して30年以上経つ。
その時の友人たちとはたまに会っている。もちろんこの業種の人間もいれば、整体師・タクシードライバー・コンビニ店長など様々だ。
ただ当時のノリと空気感は大相撲観戦・プロレス観戦・野球観戦などイベントがあるたびに集まってはワチャワチャ‼
たまに考えてしまう・・・同じスタートラインにいたがいろんな選択を経て様々な人生を歩んだものだ。タクシードライバーの彼などは休日にはパントマイムでボランティア活動をしている。
10年ほど前、亡くなった仲間がいた。それをきっかけに同窓会をやった。学生時代のノリでリングを作りプロレスもやった、50前後のオジサンたちがロープに飛んだりとワチャワチャ‼ 失笑と歓喜の世界⁉ 亡くなった仲間のために『10カウントゴング』で送った。
その時から「おい!クズども!いなくなったら10カウントで送ってやる‼」が合言葉。
葬儀場で『10カウントゴング』。なんと僕ららしい終わり方。
『さよならだけが人生だ』である。
2026/5/26のひとこと
【はじめに光あり】~追憶の去りし人
第8回 『鈴木静』さん
久しぶり見た井筒和幸監督『のど自慢』である方を見つけてしまった。
鈴木静さん。のど自慢大会の参加者の一人・・・歌う・・・おじさんです。
いわゆる内トラ出演の照明部さん。監督に気に入られての出演です。そうなんです。鈴木さんはとても愛されキャラ(おじさん)なんです。
数々の失敗談を周りの先輩たちはよく話して盛り上がります。「正月の街をパンツ一丁でさぁ~」「ロシアの缶詰をさぁ~」とか、楽しそうに話す先輩たち、飄々と聞いている鈴木さん。照明部の失敗談は武勇伝となるのです。羨望の目で聞いている僕がいました。
2013年に亡くなられました。享年49。もう鈴木さんの年齢をとっくに越してしまいました。
僕の小さな画面の中でねじり鉢巻きの歌うおじさん。
鈴木さん「うぇ~♪♪」
2026/5/19のひとこと
たまに「ライティングのイメージってどこから来るんですか?」って聞かれたりします。
もちろん「○○映画のあのシーン」とか答えたりします。・・・・でも実は絵画の方が多いのです。「マネの茶褐色の黒」とか「セザンヌの暗部の緑色」とかである。
ちょうど今、魅力ある画家たちの特集展示をやっている。
『クロード・モネ展』『ウジェーヌ・ブーダン展』『大ゴッホ展』『アンドリュー・ワイエス展』など!
「モネの一瞬」「ブーダンの空の青」「ゴッホの黄色」「ワイエスの寂寥感」である。
この機会にご確認を‼
2026/5/13のひとこと
【はじめに光あり】~追憶の去りし人
第7回 『森下信也』さん
異名といいますか、別名といいますか、「通称○○」と呼ばれる方がいます。
「鬼の○○」「悪魔の○○」。そう、森下さんは「仏の森下」と呼ばれてました。まあ、周りに鬼と悪魔がいたからですが・・・
とにかく優しい先輩だった記憶があります。まだまだハラスメント・労働時間無視の時代。
とても厳しい諸先輩方の中でおそらく一番優しかった先輩、森下さん。少し破綻した人々の中で比較的?常識人・森下さん。
ある時期より故郷の飛騨市へと戻られてました・・・2023年、訃報が耳に入りました。享年62。
時折思い出します・・・まあ、近くの悪魔が寂しがっているからでしょうか・・・
森下さん「元気だせぇー!」
2026/5/8のひとこと
【はじめに光あり】~追憶の去りし人
第6回 『松本憲人』さん
昨年夏にとある映画学校の一つ下の後輩の女性が亡くなっていた。『プロデューサー 中林千賀子』享年53。
そんな彼女の同級生でもある照明部の後輩・・・『松本憲人』も2020年に亡くなっていた。享年51。
ご時世がら内々の家族葬の形なので後から風の噂で知ることが多いこの業界。この二人のことは学生時代から知っていた。一年早く現場に出たがゆえに「せんぱ~い!」などと呼ぶ可愛くない?後輩たち。
まあ、「松ちゃん」「マツぅー」といろんな先輩たちに可愛がられたヤツでした。※後輩にはキビシイ先輩のようでしたが。
松ちゃんは照明技師として『共喰い』『くちびるに歌を』『窮鼠はチーズの夢を見る』など良い作品を残している。
松ちゃんとの思い出は・・・現場ではなく泥のように酔いつぶれている姿。
そんな同期の松本を母親のように介抱し・・・そして捨てて帰る中林。学生時代から変わらぬ関係!
そんな二人ともう少し飲みたかった・・・。「なあ、松ちゃん!中林!」
松ちゃん・中林「ㇷ゚ㇷ゚ㇷ゚ㇷ゚(陽気な笑い声)」
2026/4/30のひとこと
【はじめに光あり】~追憶の去りし人
第5回 『安藤和也』さん
照明部にとって良い現場とは、助手たちがのびのびと率先して光を作っていく現場だと思います。そういう現場にはチーフという強い柱の存在が大事です。
チーフ時代の安藤さんはセカンド以下の助手たちが「あ~しときました」「こうしません?」など自由にライトを触って照明技師と助手との良きパイプとなって『鵜飼』の様に助手たちをコントロール‼一番下(シックス)であってもライトが触れるのは嬉しいことです。
ただこの安藤さん・・・お酒に関する失敗談は数知れず!まあ、それが愛される理由でもあります。
照明技師としては『シャブ極道』という傑作もありますが、実は東映の特撮研究所における数々の特撮照明‼日本の子供たちのほとんどが見たであろう戦隊ロボのシーンは安藤さんの仕事の結晶です。まさに記憶に残る仕事です。
お酒に酔いつぶれた安藤さんをよく思い出します。しかしそれは実に愛しい思い出・・・
安藤さん「(お酒に酔いつぶれて)・・・スマン。」
2026/4/24のひとこと
【はじめに光あり】~追憶の去りし人
第4回 『渡辺三雄』さん
僕ら世代にとって角川映画や『松田優作』は少年時代の幻影です。
そんな映画少年が最初に覚えたスタッフクレジット『撮影 仙元誠三』。その仙元さんの良きパートナーの一人、照明技師の渡辺三雄さん。
僕は三雄さんとは『大夜逃 夜逃げ屋本舗3』から映画やVシネなど何度もご一緒させていただきました。(※この当時、照明技師の渡辺さんは三人いましたので「三雄さん」と呼んでました)
撮影現場は「生もの」とよく言われます。いわゆる鮮度があるのです。バジェットのある中で「どこにライト」を置いて「どのくらいの時間」で撮影に導くか!タイミングが大事なんです。三雄さんは僅かに残る福島弁イントネーションとシャキシャキ動く姿で的確に指示を出して「ここしかないだろう」と思える場所にライトを配置していきます。照明部の現場の有り様を教わったように思います。
村川透・工藤栄一・深作欣二などの「カッコいい」映画には仙元誠三さん渡辺三雄さんの名前を見つけることができます。
線路のレールを赤と緑で光らせる‼凄くカッコいいのです‼自身も技師になって「カッコいい」光を求められるときがあります。そんな時聞こえてくる声があります。
三雄さん「フっジイぃ(※福島弁イントネーション)、大丈夫かぁ‼」
2026/4/22のひとこと
【はじめに光あり】~追憶の去りし人
第3回 『海野義雄』さん
映画照明が面白く感じ始めた28歳の頃・・・『梟の城』という映画で照明技師の海野義雄さんとご一緒させてもらった。
一映画少年としては『ドグラ・マグラ』『さらば箱舟』というカルト映画(?)のことは気になっていました。海野さんはその照明技師さん!夢幻ワールド!!
90年代の照明はナチュラルライティングが好まれた時代。しかし海野さんの照明は、実験的・舞台的岩波センス!!丁寧さとは無縁な力技⁉
相馬・京都・彦根・姫路・福山と全国を巡りながら・・・実は毎日わくわくしてました。
物腰柔らかな海野さん・アグレッシブな撮影の鈴木達夫さん。岩波映画やATGなど日本映画の実験性を支えたお二人。
この時歴史的貴重な時間を目撃した!撮影現場に車イスで現れたレジェンドカメラマン『宮川一夫』さんが35mmカメラのファインダーを覗かせてもらい涙する姿・・・やさしく見つめる鈴木さん・海野さん・篠田正治監督・そして映画人たち・・・。
助手の意見を拾って現場を進めていく微笑みの海野さん。やわらかい言葉で囁きます。
海野さん「いいよ、いいよ。」
2026/4/20のひとこと
今年初め三島有紀子監督作品に参加させてもらった。
そのご縁で昨日の『三島有紀子監督特集上映』に行ってきた。一人の監督の作品をまとめて見ていくとその監督の背骨(支柱)のようなものが見えてきたりする。
一つわかったことがある。『インペリアル 大阪堂島出入橋』という短編映画がある。15分の映画の中で12分に及ぶ長回しワンカットがある。映画的奇跡がそこに宿っていた・・・。
確信した!三島有紀子監督は「映画の神様」に愛されていると!!
2026/4/17のひとこと
【はじめに光あり】~追憶の去りし人
第2回  『梅谷茂』さん
24歳の時『人間の翼 最後のキャッチボール』という映画に呼んでいただいた。
照明技師は梅谷茂さん。僕ら世代にとって「海は死にま~すか」で有名な『二百三高地』はテレビCMで忘れられない映画!まさしくその照明技師さん。
24歳時の撮影現場のことは・・・まあ、あんまり覚えてませんが梅谷さんの印象は気っぷのいい方で「おい!」「どうなんだ!」そんな掛け声を思い出す。※悪い印象ではありません
ただその後『敦煌』『麻雀放浪記』『悪魔が来りて笛を吹く』など梅谷さんの映画を見る度に気持ちがいいくらい奥まで光を作っている。奥行き!まさに「映画はヌケ」である。
『人間の翼~』は弊社照太郎にとって起点となる作品です。この時の照明部3人が発起人でもあります。照太郎ももうすぐ17年・・・ふとした時に聞こえてくる声があります。
梅谷さん「おい!どうなんだ!」※もちろん激励である。
2026/4/16のひとこと
【はじめに光あり】~追憶の去りし人
第1回 『熊谷秀夫』さん
長谷川和彦監督が亡くなられて二ヶ月が経った。やはりこの方のことを語ろうと思う。
熊谷秀夫さん。長谷川和彦・相米慎二に慕われた照明技師。
「照明熊谷学校」と呼ばれるくらい多くの方に慕われ影響を与えた方。
「あれは大変だった」「このシーンはさぁ~」苦労話を楽しそうに話す先輩たち、まさに羨望と畏怖の熊谷さん。私も『燃ゆるとき』『さくらん』でご一緒できた。
口癖は「微妙ですよ、微妙ですよ」「ゆるしませんよ、ゆるしませんよ~」灯入れ一つにも「それは何の光だぁ?行灯かぁ?」答えが一つでないことを面白がって作っていく姿勢がとても大変で、とても・・・楽しかった。
自身も技師になってみて映画の現場で奇跡を待つ時がある。そんな時ふと熊谷さんの楽しそうな顔を思い出す。
熊谷さん「(ささやき声)はぁ、キレイだなぁ」
2026/4/9のひとこと
 
本日よりDMMドラマ「外道の歌season2」が配信されました。
「season2」より合流した撮影照明チームは監督・プロデューサー陣よりあるミッションを授かりました・・・「外連(ケレン)味が欲しい」・・・と。
「season1」の画は現実世界と地続きな感じのリアルな画作り。今回は物語が動き出し、新たなキャラクターも登場し、よりシーンに合わせた心象的な画作りをとのこと・・・。
まあ、より「カッコ良く・美しく・妖しく・恐ろしく」である。
・・・ご確認ください。
2026/4/3のひとこと
 
先日、とある企業の「夏」CMをやらせてもらった。
まだ寒風吹きすさぶ夜、薄い夏服の俳優さん!! 厚着している僕らスタッフは申し訳なく思いつつも「では宜しくお願いします」と鬼のような対応・・・。
夏の暑い時期には「冬」CM。モコモコした服装で鍋などつついている・・・
俳優・タレントさんは大変だなぁと思う今日この頃です。
2026/4/1のひとこと
優しい映画が出来ました!
昨日「平行と垂直」の初号試写があり、これをもって完成となります。
主演の安田章大さん・のんさんの人柄はもちろん監督の小林聖太郎さんの優しい眼差しがスローライフで生きる登場人物たちの世界を心地良い映画にしてます。
世界が激動へと流れていく中でこんな「優しい映画」がみんなに届くように祈るばかりです。8月28日公開です。
2026/3/25のひとこと
弊社の参加した「テミスの不確かな法廷」が評判がいい!嬉しいことだ。
昨今のマイノリティーと呼ばれてしまう個性という名の特性、どう社会が接していくか、同じく弊社が参加した「平行と垂直」もそんな現代の課題を物語としている。言葉足らずの登場人物たちのコミュニケーションから生じる誤解とストレス、決して他人事ではない課題だと思う今日この頃です。